住まいのレポート~変動金利の選択とリスク

2023年05月08日

 

 

 

住宅ローンの種類と金利について

 

金融商品は、大別してリスクの高い(=金利が低い)順に「変動金利」、「短期固定金利選択型(10年固定など)」、「長期固定金利(フラット35など)」があります。

現状では金利の低さから「変動金利」を選ばれる方が9割ほど(弊社実績)です。

2023年に入ってからの住宅ローン金利の動向は、日銀が10年物国債利回りの上限を引き上げたことにより長期金利が上昇。各銀行は長期金利に連動する固定金利は引き上げましたが、変動金利は据え置いています。

「変動金利」と「固定金利」の金利差がますます広がっている現状を踏まえると、今後も「変動金利」を選択される方が増えてくると思われますが、「変動金利」の商品内容を正しく知っておくことが大切です。

 

 

 

住宅ローン

 

 

 

前提としてローン返済額以外の費用を知る

 

住宅を購入した後にかかる費用(ランニングコスト)は、住宅ローンの返済額だけではありません。賃貸と異なり持ち家の場合は、その他に掛かる費用があります。固定資産税、火災地震保険、メンテナンス費用、マンションの場合は加えて管理費、修繕積立金、駐車場代です。月々の返済額にこれらの費用を月割りで加算した金額を合算して返済を考えなければいけません。住宅購入の際には、上記金額がおおよそいくら位掛かるのかを確認しておきましょう。

 

 

 

住宅ローン

 

 

 

「変動金利」のリスクを知る

 

愛知県の住宅ローンの「変動金利」は全国で一番低いと言われています。名古屋銀行、愛知・中京銀行、資金量の多い信金に加えて、百五銀行、十六銀行、大垣共立銀行など他県からの参入が激しく、低金利競争が起こっているためです。

物件を見学に行った際、不動産の営業さんは、「変動金利」の金利を基にして、「月々の返済額は○○○円となりますよ。今のお家賃と比べていかがですか?」などと言われる方が多いと思います。確かにこの30年の金利は下がり続けるか、低金利で一定でしたので、過去の住宅ローンを取り扱ったことのない若い営業さんは金利が高いものであるという事は考えられないのではないでしょうか。

「将来的には金利が上昇するかもしれない」というリスクを考慮して住宅ローンを選択しましょう。

 

 

 

バブル

 

 

 

バブル期の住宅ローン金利

 

私事ですが、30年前に住宅ローンを組んだ時の金利は、変動で約8%、フラット35(当時は住宅金融公庫)で6.8%でした。現在の金利が変動で約0.5%前後、フラット35で1.83%(2023年5月段階)であることを考えると、現在の金利は“ただ”みたいなものです。

私は金利が2.5%に下がった時と0.9%に下がった時のタイミングで2回の借り換えを行いました。銀行さんも営利企業ですので「金利が下がりましたから借り換えした方がお得ですよ」なんて言ってくれません!借り換えの知識がない一般の方は無駄に金利を払うことになってしまう可能性がありますね。

 

 

 

まとめ

 

 

 

変動金利の選択とリスクのまとめ

 

現在の「変動金利」は史上最低となっていますので、住宅ローンを利用して住宅を購入される方にとっては大きなメリットがあります。

しかしながら、この低金利がいつまで続くかは分かりません。今までは金利が上昇する局面では、景気も給与も上がっていました(バブル期が好例)ので、急激な金利上昇は考えにくいですが、金利が上昇傾向に転じた場合の事も考えて、「長期固定」商品の選択、無理のない借入金額の設定、リスクの分散など、ご自身のライフプランに沿った借り入れを考えましょう。